ホーム > 交通教育ソリューション事業部 > 交通大学 > 第20回 交通大学 質問表への回答

交通大学

第20回 交通大学

質問表への回答

平成28年6月27日(月)に開催致しました「第20回交通大学」にて、 受講者の皆様から頂きました先生方への質問の回答を掲載いたします。
※一部回答できていない質問がありますがご了承下さい。

基調講演 鈴木 春男 「安全な交通社会を築くために -ヒトを動機づけるための処方箋-」

質問1
わが国での高齢者の交通事故死者比率が諸外国に比べて高い原因は何ですか?
またそのデータなどありますか?
回答.
その原因が簡単にわかれば高齢者への交通安全対策も容易に立てられるのでしょうが、複雑な要因が絡み合い、そう簡単に答えは出てきそうにありません。
ただ、その要因の一つに、日本社会は急激な高齢化が進み、高齢者に対する交通案施策や施設が遅れをとっていること、更には講義でもお話したように、こと交通に関しては高齢者の自立の場が得られていないことなどがあると思われます。
質問2
高齢者の交通安全対策について
具体例を挙げて頂きありがとうございました。
高齢者は交通安全を嫌うことが多く受けようとしない
受けてもらうためにはどのような方法で宣伝していくべきでしょうか。
回答.
「仲間づくりも立派な交通安全教育の一つ」と講義の中でも述べましたが、どうしても孤立しやすい高齢者に、皆で行動しやすいように働きかけていく、そのためにあそび性を生かすことも有効なのではないでしょうか。
質問3
目標による管理 とても参考になりました。
その中であそび性に関してですが、あそびの4つの要因はどれも自分が得られるメリットをゴールにしておこないますが、交通安全背策を実施し、成功した場合のメリット設定も必要になるのでしょうか?
回答.
確かにカイヨワは「遊びと人間」では、個としての人間にとって、という視点で4つの要因をあげていると思います。しかし集団も地域社会も個としての人間の集まりですから、それらの要因を満たすことは地域や仲間同士の場合でも楽しいはずです。例えばアゴーン(競争)にしても、個人同士の競い合いではなくて、町同士での競い合いや、国同士の競い合いということへも十分応用可能だと思われます。
質問4
第3の処方箋・・・ 対策を処方箋とみたてるとは 斬新ですばらしかったです。
第10次計画は 何年までに 2500人にする計画は 
2020年ですか?
回答.
第10次交通安全基本計画では、終了の年である平成32年(2020年)までに、24時間死者を2,500人以下として、世界一安全な道路交通を実現するということと、死傷者数を50万人以下にする、ということを目標にしています。

第1講座 大谷 亮 「昔の子どもから学ぶ将来の交通安全教育」

質問1
児童への45分間の指導の最初に行う「ラポートの形成」について、クイズ等実施するとのことでしたが、よろしければ具体的な事例(どのようなクイズ、他にどういったことを行うか)についてご教授ください。
回答.
具体的には、低学年児童に対して、左右確認ゲームなどを実施している。このゲームは、参加児童全員に対して実施するものである。児童の右と左に車の絵を描いたボードを持った大人を配置し、「右左右」の合図で、顔を当該方向に向けるように児童に求め、車の絵があったか否かを判断させ、手を挙げるように教示する。車の絵を持つ大人は、合図とともに絵をランダムに提示する。「右左右」の合図はメトロノームのリズムに合わせ、段々とメトロノームのリズムを速くし、速度が速い場合の確認の場合、左右の絵があったか否かを判断することが困難となり、間違いが多くなることを児童に体験してもらうゲームである。
上記の具体案は一例であり、講演の中でもお話ししたように、学齢段階やその年の子どもの様子などの情報を担当教員などから入手し、教育目標を明確にした上で、そのストーリーに合うクイズ・ゲームを実施することが重要である。また、多くの内容を一度に教えようとしないことも大事となる。この点において、教育担当者の創意工夫が必要である。
質問2
これからの課題 みなさんと・・・と言って下さって 我々交通指導員も共にとりくみにすこしでも参加したい。できるといいなと思った。 どんな形で関与できるでしょう?
回答.
まずは、学校などで実施される子どもを対象にした安全教育に、どのような形でも良いので参加し、教育をサポートすることが重要である。
子どもを対象にした安全教育を既に実施されているのであれば、「独り善がり」の教育になっていないかを、その都度チェックする必要がある。チェックのためのいくつかのポイントは、以下の通りである。
    ・実施前に、対象とする子どもの情報を担当教員などから入手しているか
    ・学齢段階に応じたプログラムを実施しているか
    ・一つのマニュアルのみを参考にしていないか
    ・交通法規のみの教育になっていないか
    ・教育担当者の話や実演の時間が長くないか(教育担当者が主役となっていないか)、子どもが考えるまたは作業する時間を十分にとっているか
    ・大人でも普段しないことを子どもに求めていないか、非合理的な行動を子どもに求めていないか(右側通行の強要など)
    ・一度に多くの内容を子どもに教えようとしていないか
    ・教育担当者の話を聴く準備ができていないのに、子どもに対して話を始めていないか
    ・インパクト勝負になっていないか、子どもの興味ではなく、悪い意味での面白さを追求していないか、など
想像するに、交通指導員の場合、少ない人数で多くの箇所、さらには一度に多くの子どもを対象としなければならない局面があるかと思われるが、このこと自体が、子どもに配慮したきめ細やかな教育ができない原因となっている。多くの手が子どもの安全教育を実施できるように、地域のボランティアや保護者、学校教員などと連携をとって、きめ細やかな教育ができるようにすることが重要である。
このためには、様々な講習会や図書などから最新の情報を入手するとともに、学校教員、地域住民、保護者などと忌憚なき意見を交換できるような状況や場を普段から作っておくことが重要となる。学校教員、地域住民、保護者などとの自由に意見交換できるような場を作るためには、コミュニケーション能力を要するため、心理学に関する知識を入手し、実践することが重要である。

第3講座 第1部 金泉 浩二 「命の尊厳と事故による損失 <保険業界の立場より>」

質問1
交通事故の発生件数(P52)と自賠責保険金支払い(傷害)件数(P53)が大きく異なるのは何故でしょうか?
回答.
警察統計の交通事故発生件数は「人身事故」として警察に届出があった事故の件数と認識しています。一方で、「人身事故」の届出以外でも保険金を支払っているケースがあるため、件数に差異が出ているものと考えられます。例えば、事故当時は被害者の方にケガの自覚症状がなかったために、「物件事故」として警察に届出をしたものの、後日、念のため検査を受けた、または通院して短期間で治療が終了したというケースもあります。保険金の支払いにあたっては、警察に「人身事故」の届出を行っていただくのが原則ですが、前記のようなケースで、医師の診断書があり、事故と受傷の因果関係が明らかであれば、被害者の方の手続き面での負担に配慮して保険金をお支払いするケースもあります。
質問2
19のデータはプリントアウトして交通安全講習等で使用してもよろしいでしょうか?
回答.
使用いただいて結構です。
質問3
・自賠責について
    ①事故の当事者双方が負傷した場合 自賠責はどのような支払われ方をしますか。
        また、その際それぞれの過失割合は考慮されますか。
    ②事故の相手方のみ負傷した場合で、その相手方にほとんど過失がある場合(あるいは過失が大きい場合)は、自賠責はどのような支払われ方をしますか。
・自動車保険「人身傷害保険」
    「自分の過失分を含めて」とはどういう意味ですか。
回答.
①事故の当事者双方が負傷した場合 自賠責はどのような支払われ方をしますか。
    また、その際それぞれの過失割合は考慮されますか。
⇒事故の当事者双方が負傷した場合は、それぞれ相手方の自賠責保険から支払われます。なお、過失割合が7割以上の場合は、保険金が減額されます(詳しくは②のとおりです)。
 
②事故の相手方のみ負傷した場合で、その相手方にほとんど過失がある場合(あるいは過失が大きい場合)は、自賠責はどのような支払われ方をしますか。
⇒自賠責保険では、被害者の過失割合が7割以上の場合は、保険金が減額されます(過失割合が7割未満の場合は減額されません)。具体的には、死亡・後遺障害の場合は、被害者の過失割合が7割以上8割未満の場合は2割減額、8割以上9割未満の場合は5割減額、9割以上10割未満の場合は5割減額されます。また、傷害の場合は、被害者の過失割合が7割以上10割未満の場合は2割減額されます。
 
・自動車保険「人身傷害保険」
    「自分の過失分を含めて」とはどういう意味ですか。
⇒自動車事故よる傷害で損害を被った場合で、当事者双方に過失がある場合は、自己の損害額のうち相手の過失割合に相当する額が賠償されます。例えば、損害額が100万円で過失割合が相手7割、自己3割の場合、相手から70万円の賠償を受け、自己の過失分である30万円は自己負担となります。人身傷害保険では、このようなケースにおいて、自己の過失の有無に関係なく損害額である100万円が支払われますので、相手との示談が成立する前に損害額の補填を受けることができます。
質問4
自転車保険として特約として加入する場合 保険料はプラス数千円とありましたが自転車向けの「傷害保険」と「個人賠償責任保険」の保険料はどのくらいでしょうか。
回答.
自転車向け保険(傷害保険と個人賠償責任保険のセット商品)の保険料につきましては、保険会社、商品(補償)内容によって異なりますので、保険会社のホームページ等でご確認くださるようお願いします。